お化け風味漂うジャケットですが、怖くないです。
怖くはないけれど、「あの世感」と「トリップ感」はたっぷりと感じられます。
美しく繊細なサウンドデザインに支えられたアルバムで、キラキラした一音一音と幻想的なヴォーカルを聴き逃すと勿体ないので、ヘッドフォンで聴くことをオススメします。
USの若手プロデューサーteamsと日本在住の写真家でビートメイカーでもあるRepeatPattern、北海道出身のアーティストNoahのコラボレーションによって生まれたコンセプトアルバム。flauの72作目です。
「此岸と彼岸を移ろう美しい幻のようなサウンド」の評に納得。
スペーシーで煌めくような音色からはじまる「kure」メロディアスな「sasoware」、コーラスワークと雑踏音のレイヤーが美しい「chawan no naka」など、3組それぞれの持ち味がしっかりちりばめられている印象。
ジャケットの中に挟まれたリーフレットに、アルバム収録曲の歌詞が日本語で書かれており、アートワークまでも世界観が貫かれていて気持ちよいです。
タイトルの『KAWAIDAN』は「怪談」から来ているようですが、古来から伝わる幽霊の物語としてではなく、サウンドトラックを持った普遍の物語として描かれています。だからやっぱり怖くない。
1曲1曲は短いですが、ループして何度でも聴きたくなる、聴けるアルバム。
案外と、黙々とした作業のお供にも良さそうです。
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収録曲
01 暮 kure
02 耳なし miminashi
03 雪女 yukionnaa
04 鯉の夢 koi no yume
05 カヤ kaya
06 雨月 ugetsu
07 夜露 yotsuyu
08 さそわれ sasoware
09 想い出 omoide
10 茶碗の中 chawan no naka
11 明 ake
○2018年リリース
○リーフレットつき
○Vカット紙ケースつき
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