京都河原町丸太町の本屋さん・誠光社からリリースされた静謐で美しいソロピアノアルバム。yatchiさんは、京都在住で3人組バンド「ムーズムズ」のキーボードも担当されている男性ピアニスト。
京都で弾いている音楽家が京都でCDをつくり、京都からリリース。
京都、音楽文化度高すぎませんか。ずるいなあ、もう。
プロローグとなる「次の区間」で耳が「ん?」と掴まれ、
「mumbai 」であっと言う間にノックアウトされます。
華やかなストリングスとの重奏に展開される「孤独」「無機質」も素晴らしい。
軽やかな「ループ階段」や「春の声」は、物語性も感じます。
詩的なタイトル「夜明けの2人」は靴音が遠ざかっていく映像的な仕掛けも。
つまりどれも良いです。
派手ではないけれど、飽きること無くずっとずっと聴けるピアノアルバム。
henning schmiedtやradicalfashionが好きな方は、共通するあたたかな匂いと、
ピアノの音色(おんしょく)の違いと共にきっと彼のピアノのファンになる気がします。
CDソフトとしてのプロダクト感も素晴らしく、ジャケットのデザインはデザイン事務所Su-を主催する角谷慶さん、アートワークは美術家の常本若菜さんによるコラグラフ作品(版を彫って刷るのではなく、版に色々な素材を貼付けたり塗ったりしてつくる版画。コラージュ的な版画ということかも)によるもの。
柔らかな紙スリーブケースから、板紙に収まった鮮やかな黄色のCDが現れるさまに、嬉しさがこみ上げて来ます。紙モノ好きにもたまらない仕様で、贈り物にも喜ばれそうです。
▼収録曲
1 次の区間
2 mumbai
3 美術館にて
4 yesterday
5 孤独
6 ループ階段
7 春の声
8 ケムに巻く
9 夜明けの2人
10 Cのメランコリー
11 無機質
12 夢の中の国
13 火の用心
14 おまけ
・2018年1月リリース
・特殊仕様紙スリーブ入り
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