tonari session’s のことは、尾道の紙片さんより、その存在を教えてもらい、どうしても聴きたくなりました。
そこで、トナリセッションズのバンドメンバー張本人(!)であり、画家のイワサトミキ嬢ににじり寄って入手した「海街アーカイブ」。
展示会でご一緒させて頂いた際に、恥ずかしがる画家にどうしても、とリクエストして音源を聴かせてもらい、ひと聞き惚れしてしまったtonari session’s。
なぜこんなに良いのか。切ないし、懐かしいし、あたたかいアルバムです。
tonari session’sは香川出身のバンドで
ミヤタケタカキ(vocal , guiter , keyboad)
ゴゴ(drums)
ナナ(organ , pianica)
イワサトミキ(glocken , toy-piano ,steel pan , chorus)
のバンドメンバー4人に加えて、曲やライブごとに外部プレイヤーを迎えて変則アンサンブルを奏でるバンド。トナリセッションズの名前は、メンバー同士が隣町に住んでいたことから命名されたそう。
ジャケットは、イワサトミキさんによるもので、とてもとても良い。
アートワークもグロッケンもトイピアノもコーラスもいい仕事しすぎです。マルチすぎか!
通常、ここでは作業中に聴ける、もしくは背景のように馴染む余白多めの音源を扱っておりますが、このアルバムは歌が風景を呼び、自分の心象風景まで流れてしまい、仕事中にふうっと聴きいってしまう恐れがあるのでご注意を。
しょっぱなの「岸辺のふたり」からキュッと心掴まれます。
やわらかく駆け上がっていく「秘密」の演奏と歌声もすてき。
8曲目の「とげ」の「絡まったままその花では 二つの愛が重なっていた」などの歌詞もなんだか泣けます。ギターもしみじみ良いなあと思ったら、この曲含め、4曲ほど田辺玄(water water camel /みどり)さんのギターが入っています。マスタリングも玄さんによるもの。全方位、耳に沁み込むサウンドに仕上がっていることに納得です。
表題作である「海街アーカイブ」には、なんとゲストボーカルとして曽我部恵一(香川ご出身)さんが参加されていいて、映画「竜宮、暁のきみ」の主題歌としても抜擢されています。表題作以外も、海辺の空気に満ちた抜群に良いアルバムです。
アルバムエンディング曲の「朝をむかえる浜辺」は、終わりにふさわしい明るさと温かさがあって、終わりなのにはじまりを感じさせる名曲。「もう1度あたまの「岸辺のふたり」に戻って聴いちゃうマジック」がかけられているとしか思えません。こんなバンド、近くに居て欲しい。
ただいま活動休止中だそうですが、ぜひとも復活を遂げて欲しい、ライブで観たいバンドです。
ゆっくり音源を聴きながら次回作を待つことに致しましょう。
【収録曲】
1. 岸辺のふたり
2. 夜の散歩
3. 「」
4. 秘密
5. 春
6. 夏の思い出
7. のらいぬ
8. とげ
9. 海街アーカイブ feat.曽我部恵一
10. 朝をむかえる海辺にて
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○2013秋リリース
○歌詞カード付き
○プラスチックケース入り