高知の山のうえで生活しながら、くらしと社会を見つめてきた布作家の早川ユミさんによる、「自由に生きるための、土着のアナキズムのくらし」をテーマとした、手製本。
造本の設計とデザインをdrop aroundで担当させていただきました。
実はこの本は、ユミさんこだわりのフランス装で仕立てているので、綴じられている紙が袋状になっており、1Pずつ袋とじをナイフやカッターで切りながら読み進めていく本です。
紙を切ってやっと読める!というハードルの高さはありますが、是非自分の手を動かしながら読み進めて頂けたら。冊子の購入者だけがオンラインでも読めるQRコード付きですので、どうしても破れない!とか持ち歩いてボロボロにしたくない!という方はアナログ&デジタル両面での読書をお勧めします。
2022年現在まで続くコロナ禍に制作した小さな本ですが、以前よりユミさんが課題、問題に感じていたことが次々と世の中で噴出する事態となったことで、より自分ごととして自覚的、身近に考えていく必要のあるもの、ことが詰まっているように感じます。
また、出版社から発売されている本との違いとして、少人数でリアルタイムに編むことで、ユミさんの思想、気持ちが色濃く出ている気がします。この本の中でも繰り返し出てくる「土着」に近い手触り。
是非他の本とも読み並べて、そしてご自身の種まきとかぞくとのくらしにお役立て頂けたら嬉しいです。
【初回入荷本には、ユミさんが高知の山のてっぺんで自家採種したごぼうの種が付いています】
////「かぞくのかていか」目次 ////
◯まえがき
1 土着のかぞくのつくりかた
2 こどもというかぞく
3 脱成長、土着の経済、おくりもの経済
4 コロナ時代のからだ
5 土を着るー衣服の自給自足
6 土から生まれる台所のつくりかた
7 土着のいえとにわ
8 戦後やってきたかぞくのしゅうかん
9 持続可能なふうふ
10 かぞくのかけいぼ
11 土着生活のための、土のがっこう
12 畑という宝-資本主義にかわる土着というオルタナティブ
13 火を焚くくらし
14 土着アナキストかぞく-みんなでつくって、みんなでつかう
15 むらにくらす
16 うつくしい土着のくらしにひつようなもの-本と映画と音楽と絵のあるくらし
●あとがき
//// credit ////
著者:早川 ユミ
発行:toita
写真:新井 祥也(野生の学舎)
デザイン:青山 剛士(drop around)
校正:青山 吏枝(drop around)
Special Thanks :早川ユミ工房(まりぼん、鶴岡さおり)